光本 恵子「金子きみ伝 ~開拓農民の子に生まれて~」

金子きみ

北海道の風土が生んだ口語自由律歌人の金子きみさんを、代表作である歌集「」を交えて臨場感豊かに描いた評伝です。
光本恵子と言う人物は、金子きみさんと深い親交があった口語自由律歌人の宮崎信義の弟子です。

作品:金子きみ伝 ~開拓農民の子に生まれて~

金子きみ

著者:光本 恵子

出版:2001年10月8日 ながらみ書房

感想

金子きみさんと同じく口語自由律歌人である光本恵子が、金子きみさんの生涯を作品と共に客観的に綴っていて、「藪踏み鳴らし」や「東京のロビンソン」などの作品や、それにまつわる背景なども書かれています。

金子きみさんに関しての情報が少なく、ましてや作者は作品に隠れてしまい、どんな人なのか分かりません。
そんな状況にあって、この「金子きみ伝」は超貴重な1冊ですね。

最初の数ページには、写真も掲載されています。
金子きみ
金子きみ
(写真引用:光本 恵子著「金子きみ伝 ~開拓農民の子に生まれて~」より)

著者の光本恵子氏は「あとがき」で次のように書いています。

箱根で短歌会があった時、金子きみさんに初めてお会いした。
当時、金子きみさんは70歳前後の年齢であったが、華奢な身体に潜む強靭な意思、北海道なまりの混じる熟慮された上のお話、頭の中で長年整理されてきた思考と自信からくるふくらみ。揺るがぬ説得力を持つ顔。それでいて深い優しさ。
その姿と雰囲気に圧倒され、強い印象を受けた。
一体この女性は何者か?
金子きみについてもっと知りたい」そう思った瞬間である。
早速家に帰ると、金子きみと名のある本や短歌や小説をあさって読んだのであった。

(中略)

小説家としての作品は決して多くはないが、それぞれ止むにやまれぬ気持ちで、書きたいと言う意思を持って表現されたものばかりである。
金子きみさんは小説家としても口語歌人としても、未だ正当な評価がなされているとは言い難いと私は感じている。
もっと評価されてよい作家である。
そんな金子さんについて、誰かが書いておかねばと言う気持ちが私の中にあった。
果たして私の思いは表現できたのであろうか。まだまだ書き足りない事が一杯である。
しかし、これを機に、今後の「金子きみ研究」の参考の一歩にでもなれば嬉しい。
そのためにも、金子きみの略歴や作品をできるだけ記載するよう努めたつもりである。

引用元:光本 恵子著「金子きみ伝 ~開拓農民の子に生まれて~」 あとがきより -2001年10月8日 ながらみ書房出版-

全くもって同感です。

これほどの文章力と構成力を持った金子きみさんは、もっともっと世に出て然るべきですね。

2009年に亡くなられましたが、もしご存命であったなら、是非ともお会いしたかった・・・

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