伊坂 幸太郎「アイネクライネナハトムジーク」

伊坂幸太郎

作品:アイネクライネナハトムジーク

アイネ・クライネ・ナハトムジーク」と言うと、モーツァルト作曲のセレナードの1つですね。

伊坂幸太郎

著者:伊坂 幸太郎

出版社:2014年9月26日 株式会社幻冬舎

あらすじ

伊坂幸太郎作品には珍しく、恋愛にまつわるお話に音楽と言う要素がプラスされた6つの連作短編集。
ごく普通の人達が、普通の生活の中で、誰にでも起こりうるような「奇跡」に出会う。
それぞれの登場人物が少しづつ重なり合う、全員が主人公の群像劇。

感想

軽いタッチで話が進み、読み終わると、何とも言えない温かな気持ちになりました。

恋愛もの」と言っても、こってりとした(どろどろとした)テイストではなく、爽やかで清々しい雰囲気です。
どちらかというと恋愛に不慣れな登場人物が多く、ちょっとカッコつけたり、なかなか進展しなかったり、少々どんくさい感じに気恥しい思いもしつつ、楽しく読めますね。

帯には「小さな奇跡の物語」と書かれていますが、「これが奇跡って言えるの?」と思うほどの些細な出来事ばかり。
偶然また会ったとか、電話中にゴキブリが出たとか、眼鏡を貸したとか・・・
しかし、そのような小さな出来事は、実はとんでもない結果に繋がっていき、小さな奇跡の連続なのかもしれません。
つい、「人生ってそう言うものかな・・・」なんて考えたりします。

いかにも「ドラマチック!」な出来事はそんなに起こりません。
ただ、ありきたりの日常の中にも、「実は奇跡が詰まっているのだよ」と教えてもらったような気がしました。

日常のふとした出来事が人間同士を繋げたり、また、そう言った人との出会いが思わぬパワーを生んだり。
極端な展開ではないからこそ、読んでいてじわじわと幸せな気分になります。
明日が楽しみになるような、少しだけ楽観的になれるような読後感でした。

ごく普通のありふれたお話かもしれませんが、「時間を置いてまた読みたい」、そう思える作品ですね。

ちなみに、このお話には斉藤和義さんの歌が引用されているので、歌を知っているとさらに楽しいかもしれません。

音楽は人生において、恋愛と同様に良い意味で少しだけ理性を狂わせてくれる貴重な存在だと思っています。

恋愛と音楽・・・奇跡を呼び起こす、重要なファクター!




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