誉田 哲也「ケモノの城」

誉田哲也

作品:ケモノの城

誉田哲也

著者:誉田 哲也

出版社:2014月4月18日 株式会社双葉社

あらすじ

17歳の少女が警察に保護された事から始まる物語。
これは普通の監禁事件ではない。
マンションの一室で行われていた犯行。
なぜ今まで発覚しなかったのか。
少女はなぜ犯人の命令に従ってしまったのか。
マインドコントロール」などと言う綺麗な言葉では終わらせる事の出来ない衝撃作。

感想

北九州で起きた監禁事件を参考にしているような作品。

警察に保護された17歳の少女は体にいくつもの傷がありました。
ただ殴られただけではなく、爪が剥がれていたり、不思議な形のやけどの跡。
そこから始まる物語の真相は非常に悲しいものです。

聖子と辰吾は同棲を始めて幸せそのものでした。
そんな時に現れた熊のような男、聖子の父親である三郎。
娘と彼氏が同棲しているところに転がり込むなんて、それだけで異常です。

三郎が転がり込んで来た本当の理由を知らない辰吾はイライラが募るばかりです。
(おそらく読者も)

いつまで経っても仕事をする気配もない三郎はフラフラっと家を出て行き、帰ってくる。
三郎の行動を不審に思った辰吾は追いかけてみる事に・・・

別のシーンでは、保護された17歳少女に対する警察からの聞き取り調査が始まったのですが・・・

少女の言うマンションには1人の女性がいました。
2人は赤の他人で全く繋がりがありません。
なぜ、同じ部屋で暮らし、そして2人とも傷だらけなのか・・・
読み進めてても、全く真相が見えませんでした。

幸せなカップルの生活と、犯罪があったマンションの2つの話はどこで交わるのか。
話の中にはかなりグロテスクな表現や犯罪方法が書かれており、正直私はキツかったですね。

ケモノの城」は読んでいる人によって捉え方が全く違うものになると思います。
私の場合は全体を通してイライラの感情が強かったです。
人の弱みに付け込み、金を巻き上げる犯人にもですが、犯人の言う事に全て従ってしまう人々にも。

マインドコントロールと言う言葉がありますが、この事件はそんな一言で終わらせられるものではありません。
人は恐怖に陥った時に、自分の親を殺す事が出来るのでしょうか?
しかも解体まで・・・

今回の事件に全く関係のなかった辰吾を巻き込んでしまった聖子。
もう少し上手くやれば、「辰吾と離れる事はなかったのでは」と思いつつも、「犯罪を背負ったまま一緒にはいられない」と言う聖子の純粋な、父親に対する愛情と恋人に対する愛情が垣間見えた瞬間に、ほんの少しの救いがあるように感じました。




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