神永 学「心霊探偵八雲1 赤い瞳は知っている」

神永学

作品:心霊探偵八雲1 赤い瞳は知っている

小説はシリーズ累計で650万部を売り上げている人気作で、テレビドラマ、テレビアニメ、漫画、舞台、ドラマCD化されています。

神永学

著者:神永 学

出版社:2004年10月 株式会社文芸社

あらすじ

学校内で発生した幽霊騒動に巻き込まれた友人を救うため、小沢晴香は不思議な能力を持つ男がいると噂される「映画同好会」を訪ねる。
そこにいたのは斉藤八雲と言う名の、一言で言ってしまえばイケ好かない男だった。
見るからにやる気のなさそうな八雲と言う人物。
だが彼は、死者の魂を見る事の出来る「赤い瞳」を持つ男だった・・・

感想

八雲と晴香。

2人の主人公の出会いは最悪(主に晴香にとって)なものとなっています。
藁にも縋る想いで尋ねた人物は、常に眠そうな目をした見るからにやる気のない風貌の男。

もはや失望を通り過ぎて怒りすら覚える晴香でしたが、最悪だった心証が信頼へと変わっていく過程が見所り1つです。

一方の八雲も生来のひねくれものですが、普段はコンタクトレンズで隠している「死者が見える赤き左目」を、偶然晴香に見られた際にかけられた「綺麗」と言う言葉に驚き、戸惑うパートが八雲と言う人間の本性を示しているように思います。

今まで気味悪がられ、疎まれてきたせいで自然に隠すようになっていたコンプレックスを、そんな風に肯定的に受け止めてくれる人間に初めて出会えた喜びのようなものがさりげなく随所に盛り込まれているのも印象的でした。

さて、物語は1冊3編から構成されています。

「開かずの間」
「トンネルで起きた不思議な現象」
「自殺偽装の殺人事件に晴香が巻き込まれる、死者からの伝言」

大きな流れとしてはこれから先もストーリーが展開していく予感がありますが、本書においては1つ1つの物語が完結しており、飽きる事なく読み進められました。

心霊探偵」と言うタイトルが表す通り、ジャンル的にはホラー、オカルト要素が入っているのですが、単に読者を怖がらせるような作品ではなく、人の死の裏に隠された想いを紐解いていくような、色々な部分において考えさせられるミステリー作品です。

普段はひねくれている八雲が死者の想いと真摯に向き合い、事件を解決へと導いていく・・・

ヒロインである晴香との関係性がどう発展していくのかと同時に、八雲のこれからの活躍に期待が高まる1冊です。




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