池井戸 潤「民王」

池井戸潤

作品:民王

2010年5月に吉川英治文学新人賞受賞後の第1作目としてポプラ社より刊行され、2015年7月に遠藤憲一、菅田将暉主演でテレビドラマ化、テレビ朝日で放送されましたね。

池井戸潤

著者:池井戸 潤

出版社:2010年5月25日 株式会社ポプラ社

あらすじ

総理大臣である武藤泰山はある日、大学生の息子・翔と精神が入れ替わってしまう。
こんな事が周囲にバレては大変だと、2人は入れ替わったままの生活を続ける事にした。
しかし、ろくに漢字も読めない翔、就職活動で面接官を相手に偉そうな態度を取る泰山に周囲の人間は困惑するばかりだったが、2人は自分達を陥れた敵の存在を知る事になるのだった。

感想

池井戸潤氏の作品と言えば、やはり「下町ロケット」や「陸王」などの固いイメージの作品が多かったので、正直この「民王」は意外でした。
親子の精神が入れ替わると言う設定はありがちですが、それがまさか総理大臣と就活生・・・

実はテレビドラマを見てハマってしまった事がきっかけで原作を読んだので、その違いに衝撃を受けました。
ドラマではどちらかと言うと消極的で女子力高めの翔ですが、原作ではかなりヤンキー色が強いので、まずはそこに驚きました。
しかし、その根底にあるのは正義感なんだと解った時には、どちらの翔も大好きになりました。

それに、政治家達を上手に皮肉っているところもとても良いですね。
漢字の読み間違いや女性問題で辞職する政治家はかなり多いですから、そう言う皮肉をコメディで表せるのは凄いと思います。

ただ、原作に出てくる鶴田経済産業大臣と息子の航は、ドラマでも見てみたかったですね。

個人的に好きなキャラクターは、泰山の妻である綾さん。
彼女が泰山に対して、「私が愛した政治家の妻ですから」という一言がとてもカッコ良い。
どんな時も泰山を信じて支えると言う信念と覚悟がその一言に込められており、「政治家の妻たる者はこうでなければならないのだな」と、改めて思いました。

読み終えた後、もし泰山が総理大臣だったら、「今の日本はもう少し良い国になったんじゃないかな」と思える作品でした。




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